雄島の海を想い偲ぶ
ごはんのおともJP を見ていただいてありがとうございます。
この度、故郷である福井の味をもっとたくさんの人に知って欲しい、また、同じように故郷の味を広めたいと思っている売り手の場を作りたい、という思いから、ごはんのおともJPを立ち上げました。
構想から約1年、ここではこのサイトを立ち上げた背景を少しお話しできればと思います。
福井の漁村で生まれ育つ
私は福井県にある小さな漁村とも言えるような、安島(あんとう)という町で生まれ育ちました。
安島には『雄島』という真っ赤な橋が渡っている美しい島があり、この周辺は九頭竜川の真水と海水が合わさる豊かな潮流によって良質なワカメや海産物が採れます。
思い返せば、食卓には魚が並ぶことが多く、地元でしか見たことないようなものもよく食していました。
小学校の頃、夏休みになると、この雄島周辺の岩場で毎日海に遊びに行き、友達と岩場から飛び込んだり、1人で銛を持って魚を突きに行ったりして、いつも真っ黒に日焼けしていたことを思い出します。
福井を離れて
高校卒業後は、京都、名古屋、大阪、東京と移り住み、気がつけば30年近く月日が経ち、現在は妻の実家がある神奈川県茅ヶ崎市に暮らしています。つまりは日本海とは真逆の太平洋にいるわけです。
福井へは、毎年お盆と正月の2回帰っていました。
実家へ帰ると、うちの両親が地元で取れたふっふぁん(フクラギ)の刺身や私の好きなアカラ(赤魚の小さいもの)の塩茹でやカレイの日干しなどを出してくれて、鮮度が高く、久々の地元の味にいつもお酒やご飯が進んでしまいます。
地元から離れて年齢を重ねるにつれ、生まれ故郷の食材が益々美味しく感じるようになっていきました。
少年時代のノスタルジックな思い出
2020年、コロナ過によって毎年当たり前のように帰っていた故郷に帰れなくなってしまいました。
実家にはコロナ直前の正月に帰ったのが最後だったので、すでに1年半以上帰っていません。
じいちゃんばあちゃんに孫を会わせることもできなくなり、息子は3歳から5歳に成長し、随分大きくなってしまいました。
そして神奈川県でも緊急事態宣言が続く2021年8月現在、どうやら今年の夏も帰れなさそうです。
そんな中、たまに実家から送ってくれる魚やもみわかめを食べていると 郷愁の念にかられ、少年の頃の記憶が蘇ってきます。
まっすぐじゃない小道、
行きつけの駄菓子屋、
畑を隔てて話しているおばちゃんの声、
すだれの上で干されたワカメ、
畑で取れた大きなスイカ、
夏休み、テレビから流れる高校野球の実況、
ばあちゃんの手伝いをさせられた雲丹かかし、
海女さんの甲高い口笛、
銛で突いたシマシマの魚、
ひょうたん島から海へのダイブ、
真っ直ぐな水平線とキラキラと光る海が見えるお気に入りの高台、
そこを走る伝馬船、
水平線に落ちていく夕日
その頃の風景や音、そして畑の土や草、海で採れた雲丹やサザエの磯の臭いまでもが、今でも鮮明に記憶の中に残っています。
雄島水産
実家に帰れず、自宅で悶々と仕事と育児の日々を送る中、地元に貢献できるようなサービスが何か作れないかと考えるようになりました。
そして、ふと地元の友達が海産物の卸業をやっていることを思い出し、まだ企画も固まらないままに連絡を取ってみました。
「福井の特産物を扱ったショップサイトを立ち上げたい」と伝えたところ、友達が代表を務める雄島水産の商品を扱うことを快諾してくれて、さらに食品を扱うことがド素人の私に色々とアドバイスもくれました。
福井から始まる、ごはんのおともJP
ショップの企画は、妻や友人の知恵も借りながら試行錯誤した結果、『地元民がお勧めする、ごはんのおとも』を販売するサイトにすることにしました。
私の故郷、雄島にある、雄島水産の商品は、昔から慣れ親しんだ味もありながら、今回を機に初めて食した物もあったのですが、魚は脂が乗っているしイカは柔らい、そして味付けも絶妙でどれも美味しく、地元民である私が自信を持っておすすめしたい福井(日本海)の味です。
このサイトを通して、福井の味と魅力を伝えられればと思っています。
しかし、私と同じように忘れられない故郷の味、地元民の方がそれぞれ自信を持ってお勧めしたい、未だあまり知られていない"ごはんのおとも"がたくさんあるではないか?と思うようになりました。
このサイトは福井の味から始まりますが、福井から北陸、そして全国へと少しずつ広がっていけると面白いのでは、と思っています。
最後にこのサイトを立ち上げに快く協力してくれた雄島水産のナイスガイ、太郎くんに感謝!
そして三国での幼なじみ AIM Design のグラフィックデザイナー篤男くんにも感謝!
そしてそして、Fantasista.inc のふっくん、素敵なイラストをありがとう〜。
※ごはんのおともJP立ちあげから数年が経ち、色々な方からご意見をいただいたり、試行錯誤した結果、現在は福井県にフォーカスした商品を扱うことにしております。
うちで商店 山出 幹夫